思いでのお店~寿司田~

20代の前半、独り飲みに憧れていました。テレビドラマでかっこよく一人で飲む女優さんを見ては「いつか自分も!!」と思っていたのですが、私一人で喫茶店やファストフードに入ったことが無かったので「叶う事は無い夢かな?」と、うっすらと思っていました。

 

今「ソロ活女子のススメ」というドラマが放送しています。私、このドラマの主人公・江口のり子さんが大好き。この女優さんが出ているドラマはチェックして拝見しています。随分前の深夜に「月とチェリー」という映画をテレビで放送しており、たまたま見た事をきっかけにその時から気になり応援しています。

「ソロ活女子のススメ」このドラマを見ながら自分が一人のみを始めてした時の事を思い出していました。懐かしい。

 

私は幼少期から海なし県に住んでいます。子供の頃は近所に新鮮な魚を扱う「魚屋さん」がありました。母は鮮魚を買ってきては自分でさばき食べさせてくれていましたが時代とともに鮮魚を扱う魚屋さんは無くなりました。今は流通が良く新鮮な魚がスーパーに並んでいますが昔のスーパーの魚は、お世辞にも新鮮で美味しいとはいいにくく海の方で育った母はスーパーで生魚・刺身をほとんど買ってきませんでした。そのせいか、お寿司屋さんには月2~3回行きました。母も私もお寿司が大好き。

 

私が一人飲みデビューをしたのは「すし田」と言うチェーン展開をしているお寿司屋さんでした。「すし田・有楽町電気ビル店」※随分前に閉店しております。

あの日私はアルコクラブでの早番勤務でした。仕事を上がりダッシュで山手線に乗り18時10分頃有楽町駅に到着。多くのサラリーマンとすれ違いながらお店に向かいました。

お店に入り指1本立てて無言の「一人ですアピール」をするとカウンター席に通されました。席に着いてから席を立つまで、飲み物、食べ物すべてを目の前の板前さんが担当してくれました。美味しい物を飲み・美味しい物を食べ、絶妙な接客とサービスを受け私の心とお腹は満たされ「また近いうちに来るぞ!」と心に決めこの日は気分よく帰宅しました。

初めての一人飲み。母と行っていたころとは違う楽しみ方を知り、一人のみという初めての事をクリアした私はチョッと大人になった気がしていました。 

 

そんなに日を置くことなく2回目の訪問。この時は「こちらにどうぞ!」と板前さんに言われ席に着きました。板前さんは前回自分がもてなした事を覚えていたそうです。

やはり初回は緊張していたのか気付きが少なかったのですが2回目は余裕が持てたのか色々感じる事が出来ました。カウンターにいる4人の板前さん、周りでおもてなしをする仲居さんの働く姿が清々しく活気あふれる店内は見ていて気持ちがよく2回目なのに常連さんのように居心地が良かったです。

一人飲みデビューをしたこのお店で私は「常連さん」となります。

馴染みのお店です。

この「馴染みのお店」というのも欲しい!と思っていたものの1つ。

私の呑み助人生の無くてはならないお店と中島さんとの出会いでした。

 

板前の「中島直人さん」今では家族ぐるみでお付き合いをしています。